名 前 |
イヌ (犬、狗) |
学 名 |
Canis lupus familiaris |
英語名 |
Domestic Dog(イエイヌ)、dog |
分 類 |
哺乳綱食肉目(ネコ目)イヌ科イヌ属タイリクオオカミ種イエイヌ亜種 |
分 布 |
イエイヌと野生のイヌ科動物に共通の祖先は、南アジア発祥の小型のオオカミと考える研究者がいる。イヌ科(広義のイヌ)は、森林から開けた草原へ生活の場を移し追跡型の狩猟者となったグループで、細長い四肢など持久力重視の走行に適した体のつくりをしている。ジャッカル類は主にアフリカに(アジアにも分布のキンイロジャッカルはオオカミの近縁)、コヨーテ類は北米大陸に分布。オーストラリアとその周辺に生息のディンゴと、ニューギニアに生息のニューギニアン・シンギング・ドッグは、人により約4千年前に持ち込まれたイヌで、現在はイエイヌとともに、タイリクオオカミの1
亜種とされる。ジャパンケネルクラブは、国際畜犬連盟が公認する331犬種を公認、そのうち176犬種を登録、スタンダードを定めている。非公認犬種を含め約700-800の犬種がいるとされ、世界全体で4億匹の犬がいると見積もられる。 |
形 態 |
イエイヌは、肩高15~84cm、体重1~80kg。セントバーナードからチワワまで多くの品種がつくられ、大きさ、体形、毛色はさまざま、人に慣れる性質だが、オオカミやキツネ、ジャッカルの仲間であることは変わらない。人に飼いならされた最初の動物と考えられ、1万年以上前から人と生活してきた。古くから数百種類のイヌが品種改良され、難産のため出産時は帝王切開なしに生まれることができないため(主にブルドッグ)野生下で生存できない種までいる。ネコと違い独特の口臭がある。血液型は8種類。野犬(やけん)は分類学上、種や亜種としてイエイヌと区別される存在ではない。 |
生 態 |
イエイヌは野生の種と同じ習性から、木や石、フェンスの支柱などに尿をかけマーキングする。においを残すのは縄張りを他のイヌに知らせるためである。野生のイヌは仕留めた獲物を後で食べるため埋めるが、ペットとして飼われている多くのイヌも、後で使うために骨やお気に入りのおもちゃを土に埋めることがある。コミュニケーションを図るため、臭いを残したり、体を使って意思表示する。体の動きや顔の表情などには強いメッセージが込められていることが多く、合図の多くは人間でも理解できる。うれしいときはしっぽを振り、怒ったりおびえていたりするときは歯をむき出しにする。そして、ほえたり、うなったり、鼻を鳴らしたりとさまざまな音を発しコミュニケーションを取る。食性は雑食。寿命は種類差、個体差が激しいが平均で10年ちょっと。日本犬は長生きのほう。 |
夢見処 |
夢見ヶ崎動物公園のある加瀬山(小高い丘)には、神社が三つ、お寺が一つ同居している。園内の道は一般道の扱いで、ラマ舎の前に熊野神社、シカ舎の前に浅間神社があり、動物公園への出入りは原則として終日出入り自由で、イヌの散歩コースにもなっている。大型犬から小型犬まで、多くのイヌが、毎日、ここを散歩コースとしており、展示動物たちと顔なじみのイヌも多い。 |
備 考 |
イエイヌは、嗅覚、聴覚が鋭いため、昔から猟犬、番犬、牧畜犬などとして家畜化され、単なるペット以上の存在として、人間の活動を強力にサポートしてきた。現在でも、警察犬、軍用犬、救助犬、盲導犬、競走犬、愛玩犬などとして活動の幅を広げ、まさに人間の最高の友としての役割を象徴しているといえる。広義の「イヌ」とは、広くイヌ科に属する動物(イエイヌ、オオカミ、コヨーテ、ジャッカル、キツネ、タヌキ、ヤブイヌ、リカオンなど)の総称だが、日本では一般的ではなく「イヌ類」などとして「イエイヌ」と区別している。 |