名 前 |
キジバト(雉鳩)、ヤマバト(山鳩) |
学 名 |
Streptoperia orientalis |
英語名 |
Oriental Turtle Dove, Eastern Turtle Dove |
分 類 |
鳥綱ハト目ハト科キジバト属 |
分 布 |
ユーラシア大陸東部。日本では全国で繁殖する留鳥(北海道や本州北部の個体群は越冬のため南下する夏鳥)。亜高山帯~市街地に繁殖。山鳩とも呼ばれ、かつては山地に住み、冬に都会にやってくる漂鳥だったが、ヒヨドリ同様都市に住みはじめ留鳥化する。 |
形 態 |
全長約33cm。背羽の黒地に赤褐色の淵どりのうろこ模様がキジの雌の模様に似ているためキジバトと名付けられた。英名のTurtle はこの鱗状の斑紋に由来。雌雄同色で茶褐色から紫灰色、頚部側面に青と白い小さな縞模様がある。 |
生 態 |
平地から山地の明るい森林に生息し都市部でも普通に見られる。樹上に小枝等を組み合わせた皿状の巣を作るが、古巣を利用することも多く、人工建築物に営巣することもある。このため野良猫などの獲物になることも多い。雑食性で、林、草地で地面を歩きながら、草の種や木の実を食べるが、昆虫類、貝類、ミミズ等も食べる。農耕地にまかれた豆などの種子を食害することもある。繁殖期は周年。1回に2個の卵を産み抱卵日数は15-16日。抱卵は夕方から朝までの夜は雌、昼は雄が行う。雛は孵化後、約15日で巣立つ。つがいでいることが多いが、繁殖がうまくいかなかったときは、1シーズンでつがいを解消するパターンも多い。繁殖は春が中心だが、ピジョンミルクで雛を育てるため、必ずしも春とは限らず、2月-11月と繁殖期は長く、1年中繁殖の記録もある。ピジョンミルクは、そ嚢から出るたんぱく質や脂質、ビタミン類を含んだ分泌物で、特に孵化直後のヒナはこれを飲んで成長する。哺乳類の乳と違い、オスもメスも出せるため、親は、自分が食べる穀類さえあればヒナのエサの心配はない。雄のさえずりは、のんびりのどかに「デデッポッポー」「デーデーポポー、デデーポポー」「クークグッググー」と、早朝に鳴く。さえずりは通常5拍子だが、4拍子のものも確認されている。動作ものんびりし、警戒心も少なく、かなり近づいても逃げようとしない。つがいでの行動が多く、必ず近くにもう一羽がいる。平均寿命は10年、最高寿命は20年。 |
夢見処 |
夢見ヶ崎動物公園のある加瀬山でもよく見かける。 |
備 考 |
日本では狩猟鳥に指定。ヤマバトの名のとおり、かつては山岳地帯に生息、めったに人前に姿を現さなかったが、1960年代、都市部で銃猟が制限されてから人を恐れなくなり、1970年代には街路樹や建造物でも営巣するようになったが、警戒心はカワラバトより遥かに強い。 |