名 前 |
モモアカノスリ(腿赤鵟)、ハリスホーク |
学 名 |
Parabuteo unicinctus |
英語名 |
Harris's Hawk |
分 類 |
タカ目タカ科 |
分 布 |
米国南西部~チリ南部、アルゼンチン中央部。イギリスでは、かご抜けした個体が野外で繁殖している報告がある。野生個体数は生息地の環境破壊で減っているが、場所により新たに進出した地域もある。 |
形 態 |
成鳥の体長は46-76cm、翼長は110cm。 約40%の個体に性的二形が見られ、メスの方がオスよりやや大きい。体重は、米国の統計ではオスは平均約710g、メスは1020g以上。羽色は黒褐色で肩、翼の裏側、腿が赤みがかり、尾端と尾の基部は白、脚と蝋膜は黄色。不快な声で鳴く。幼鳥は成鳥に似るが全体的に縞っぽい。飛翔時、翼の下側が茶色と黄褐色の縞になっているのが見える。 |
生 態 |
疎林、半砂漠域に生息。地域により木が疎らな沼地にも住む。南米ではマングローブの生える河口湿地にも生息。留鳥。 小鳥、トカゲ、哺乳動物、大きな昆虫など、さまざまな生き物を捕食。猛禽類は通常単独で狩りを行い繁殖期もしくは渡りのとき以外に群れることはないが、本種ははノウサギのような大きな獲物は2-6羽で狩りを行う。獲物の少ない砂漠の気候に適応したと考えられる。様々な猟法にも長け、その一つに馬跳び
leapfrog と呼ばれる猟法がある。これは、まず小さな群れが前方を飛び獲物を探し、続いて後方の群れが前へ出て獲物を探す猟法で、獲物をしとめて分け合うまで続けられる。また獲物の周囲をぐるりと取り囲んで、一羽ずつ獲物に攻撃を仕掛けるといった狩りも行う。繁殖は年に2-3回。メス1羽、オス2羽で営巣、メスはどちらのオスとも交尾することがある。メスが主となり小さな木、低木の茂み、またはサボテンに、やや小さい巣がかけられる。外側は木の枝や根、茎などの素材、中は葉、こけ、樹皮及びひげ根などを敷く。2-4個の白または薄青白い地色に薄茶もしくはグレーの小斑点のついた白い卵を産む。抱卵は主にメスが担当、31-36日で孵化。ヒナは薄黄色だが5-6日で濃い茶色に変わる。孵化後38日目に巣から離れ、45-50日で羽が生えそろい飛ぶようになる。巣立った若鳥は長いときは3年間親と共に行動、弟や妹の世話を見る。 |
備 考 |
飼い易く、飼い主の愛情に応えることから、1980年以降、アメリカ、ヨーロッパ、中東で鷹狩用のもっとも一般的なタカになる。ウサギ、時にはキジさえ狩ることがある。欧州では街中のカワラバトやホシムクドリを追うのに使用され、空港の滑走路周辺から鳥を威して追い払い、バードストライクの危険を減少させるためにも使用される。 |