名 前 |
パルマワラビー、パルマヤブワラビー |
学 名 |
Macropus parma |
英語名 |
Parma Wallaby |
分 類 |
ディプロトドント目(有袋目、フクロネズミ目)カンガルー科 |
分 布 |
オーストラリア、ニューサウスウェールズ州北東部、グレートディバイディング山脈。低地から標高900~1000m位のところで見られ、多くは標高300m程度辺りまでの地域に生息。 |
形 態 |
カンガルーより後足、尾、耳が小さい。背面は灰褐色や褐色など、のどから胸、腹にかけ白色。頬にはふつう白い筋、頭頂部から背中にかけ暗色の帯が見られ、尾は体と同じくらい長い。体は小さいが、後足は発達、跳躍力も優れている。ゆっくり移動する時はカンガルーと同じ、長い尾を第五の足のように使いバランスを取り、前足で体を支え、後足を同時に前に出して進む。体長雄48~53cm、雌45~53cm、尾長は雄49~55cm、雌40~50cm。体重は雄4~5.9kg、雌3.2~4.8kg。 |
生 態 |
夜行性。下草の多い森林、乾燥したユーカリの林などで見られる。日中はヤブなどに潜み、夕方から単独または2~3頭の群で活動。性格は少し臆病。小さな群れで暮らす。繁殖期は3~7月頃、一夫一婦や一夫多妻など。妊娠期間は30~35日、雌はふつう1産1子。生まれたての子の体重は0.5g、他のカンガルーと同じく、6~7ヶ月、母親の育児嚢を出入して育てられる。10ヶ月を過ぎる頃独立、雄は2年近くで、雌は16ヵ月程で性成熟。食物は草、木の葉。寿命は野生下で6-8年、飼育下11-15年ほど。 |
備 考 |
「ワラビー」というの名はカンガルー科に属する動物の中で小型のものを指す総称として使われる。中型のものは「ワラルー」と呼び、「カンガルー」、「ワラルー」、「ワラビー」の順で、体が大きくなる。パルマワラビーは1840年、イギリス人により知られることになったが、その後大陸から持ち込まれたキツネなどの肉食性動物により捕食され生息数が激減した。保護政策がとられたもののニューサウスウエールズ州の北東部にのみ生息している。保護のためニュージーランドのカワウ島に移入されたがベネットワラビーなど、他のワラビー類に比べ最も生息数が少ないと言われる。国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価により準絶滅危惧種(NT)としてレッドリストに指定されているものの生息数は回復していない。ワラビーの仲間は、本種やベネットワラビーなどは森林地帯などで生息するが、イワワラビーの仲間は荒れた岩場などに生息している。 |