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 夢見の動物 ツミ
Japanese lesser sparrowhaw
夢見の動物 

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2018/09/03
名 前 ツミ(雀鷹、雀鷂)。「雀」はスズメも含む小型鳥類を捕食することに由来、英名(sparrow = スズメ)と同義。
学 名 Accipiter gularis
英語名 Japanese lesser sparrowhawk, Japanese sparrowhawk
分 類 タカ目タカ科ハイタカ属
分 布 東アジアから東南アジア。夏に中国東部、日本、朝鮮半島で繁殖。冬に中国南部や東南アジアで越冬。日本では基亜種が温暖な地域で留鳥。寒冷地では冬に南下することもある。
形 態 全長オス27cm、メス30cm。翼開長50-63cm。同じ属のハイタカより小さくハト大前後で、ハイタカほど眉班が目立たない。下面は白い羽毛で覆われる。眼の周囲は黄色。幼鳥は上面が暗褐色、下面が淡褐色の羽毛で覆われる。胸部に縦縞、腹部にハート状、体側面に横縞状の暗褐色の斑紋。虹彩は緑褐色。オスの成鳥は上面が青味がかった灰色、胸部から体側面はオレンジ色の羽毛で覆われる。虹彩は赤褐色。メスの成鳥は上面は灰褐色、下面には暗褐色の横縞が入る。虹彩は黄色。
生 態 平地から山地の森林に生息。単独もしくはペアで生活。食性は動物食。主に小形鳥類を食べるが、爬虫類、小形哺乳類、昆虫なども食べる。繁殖形態は卵生。繁殖期には縄張りを形成。針葉樹の樹上に木の枝を組み合わせた巣を作り、4-6月に1回に2-5個の卵を産む。抱卵期間は約30日。雛は孵化から約30日で巣立つ。本来ツミは、巣の半径50m以内に侵入するカラスなどの捕食者に対し防衛行動を行うことから、卵や雛の捕食を避けるためオナガがツミの巣の周囲で繁殖することが多かった。だが近年ではカラスの個体数が増加し、ツミが防ぎきれなくなったことからカラスに対しあまり防衛行動を行わなくなり、オナガがツミを頼りにすることが減っている。
備 考 都市部では緑化で繁殖が増加しているが、開発による生息地の破壊で生息数は減少している。鷹狩りにおいては古くからオスをエッサイ(悦哉)と呼称することもある。




2018/09/03 野生鳥獣(ツミ幼鳥)の保護・リリース(前編)
傷ついた野生動物の救護と野生復帰も、動物園の仕事の一つです。
先日保護・搬入されたのは、日本で最小の猛禽類、ツミの幼鳥でした。
痩せているものの、骨折等はなく、羽根がまだ伸び切っていないことから、何らかの原因で巣から落ちたことが疑われました。
親元に返すためその日のうちに保護場所に出向き、巣と親鳥を探したところ、それらはどうにか見つけることができましたが、肝心の幼鳥は、羽根が伸びきっていないからでしょう、何度木の枝に置いても地面に落下してしまいます。
今の状態では、また保護されるか、猫やカラスにやられるだろう……
その日はリリースを見送り、しばらく当動物公園で保護飼養することとなりました。
野生の鷹は特に神経質で、なかなか餌を食べてくれません。
キジバト程度の小さな身体のツミ幼鳥にとっては1日食べないことも命取りになります。
餌の食べさせ方ひとつでも、色々とコツが要ります。
ストレス削減のために小屋を暗くするなどの工夫をして、なんとか保護翌日には餌を食べてくれました。
体力が回復したあとは、羽根が伸びるまで広めのケージで飛行練習と筋力アップをさせ、野生下で生きていけるようセミなどを餌として教えたりしました。
(後編へ続く)(石川)
(写真1) 保護初日のツミ 【写真左】
(写真2) 体力回復のため餌を食べさせる 【写真右】
(写真3) キャスティングジャケットにくるみ身体検査 【写真トップ】
(公式FB)

2018/09/03 野生鳥獣(ツミ幼鳥)の保護・リリース(後編) ツミ幼鳥が保護されてから2週間後。
少しの距離であれば問題なく飛べるようになったことを確認したのち、再度、保護場所でのリリースを試みました。
親鳥にまた会えるかどうか…そこが一番の問題でしたが、保護場所近くで探していると、幸運にもまた親鳥と思われるツミの姿を発見することができました!
急いでツミ幼鳥を段ボール箱から出すと、その姿と鳴き声に親鳥が反応したように見えたため、タイミングを計りリリースしました。
幼鳥は、親鳥の方には向かわず少し離れた方へ飛んで行きましたが、その羽ばたきは力強くしっかりとしていました。
なんとか頑張って生きていってほしいと願いつつ、帰路につきました。
******
保護された野生動物を人間が野生に戻すことはとても難しく、そのためには知識と経験、そしてたくさんの時間と労力が必要です。
当園ではそれらの手伝いをしていただく「神奈川県野生動物リハビリテーター」の養成を、野生動物救護獣医師協会(WRV)と共に進めている最中です。
こうした取り組みについても、今後またお話したいと思っています。
(石川)
(公式FB)

 
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